Hello,
メルボルンがエコノミストが選ぶ「世界で住みよい街」の第1位を6年連続で獲得しました。
治安は6年前よりは悪くなっていると犯罪発生率の数字を持ちだして批判をする記事ももありますが、6年連続というのは快挙には違いありません。
僕としては「メルボルンが世界で屈指の住みやすい街」なのかは正直にいってしまうと住む前なのでわかりません。
しかし、町並みの美しさや大きすぎず小さすぎない都市としての規模、整った交通機関、自然の景観が残っている点など優れた面が数多くあります。
今まで僕はオーストラリア、英国、フランス、ドイツ、中国、アイルランド、アメリカを旅行したことがあります。旅のなかで各地の大都市を見てきました。僕の経験からみたメルボルンの特徴を感じたことを書いていきたいと思います。
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ほどよいくらいに交通網がある
メルボルンでは市街地を走るトラムが有名です。中心部のフリーゾーンでは運賃が無料で、学生や観光客にとってはとても便利。
また、トラム以外にも郊外へいく電車がフリンダーストリート駅、サザンクロス駅、フラッグスタッフ駅などを中心としたCity Loopを中心に東西南北へ運行しています。
以前、サザンクロス駅から郊外ベンディゴへ向けて小旅行をしたことがありましたが、東京で例えるとロマンスカーで箱根に行くように快適に旅をすることができました。
市の中心地と近郊が電車に乗ってつながっていますから、緑豊な郊外から中心部へと通勤することができます。
東京は世界屈指のメガシティですから、中央線で新宿から1時間以上乗って高尾あたりで自然ある風景になってくるという感じです。
一方、メルボルンは中心部から5分もすればゴルフコースなど緑が車窓に現れます。20分も乗っていれば完全に丘や谷があらわれ郊外となります。
東京のように電車通勤が苦になるということはありません。もちろん混んでいて座れないことはありますが。
ヨーロッパを思わせる綺麗な建物とモダン建築が融合した街並み
19世紀のビクトリア風の綺麗な煉瓦や石造りの建物が残っています。ロンドンほどではないものの、歴史ある街としての風格があります。僕はメルボルンの町並みは日本でいうと小京都といわれた金沢に近いと思っています。京都と金沢の関係のようにメルボルンには伝統ある街ロンドンの面影があり、実際「小さなロンドン」といわれています。
一方ではメルボルンオリンピックを契機として、モダン建築が建てられました。Melbourne Central駅内部には昔の塔をすっぽり覆う形で残されて、ショッピングセンターと駅の一部となっています。ちなみにあの塔(Coop’s shot tower)は散弾を作るための施設で50mの高さを誇ります。
伝統的な教会、建物などが残る一方でモダニズム建築も存在し、オセアニアというよりもヨーロッパにある街のような気さえします。
アートを大事にする風土

NGV=National Gallery of Victoria
英国の大英博物館などもそうですが、州立美術館NGVの常設展は無料です。また日本と少し違うのは体験型のアートやインスタレーション作品を楽しめることです。
ある時にはVRゴーグルを使って架空の街を探索する展示があり、僕としては初めてのVR体験をし、とても感動しました。美術館のエントランスや庭には子どもが触れて遊べるオブジェが置かれていることがあります。

NGVの裏庭。ミストを出す装置で遊ぶこども
NGVの他にも歴史や自然に関する展示が多いMelbourne Museumや街角の小ギャラリーがあります。また、アートに関するイベントや催し物、マーケットがしょっちゅう開かれます。僕もマーケットで手作りの木製万年筆を買ったことがありました。夕方、ヤラリバーのほとりでは夕方にストリートパフォーマンスや演奏を聴くことができますから、音楽好きにはこちらも見どころです。
(ほぼ)なんでも揃う

スーパーにはカンガルーのお肉が
大きなショッピングセンターがあり、ブランドものからユニクロまで揃います。ちなみにうちがよく行くモールはChadstoneです。日本にはない広大な敷地に高級ブティックやデパートをはじめ、カジュアル衣料もあり、雑貨もあり、スーパーもあり、カフェもあり、映画館(ただし今は改装中)もあり、、、、歩いているだけで十分楽しいです。
シティや郊外ともKマートやターゲットなど安い日用品(といっても日本と同じか少し高いですが)のお店もあります。
家具も日本と同じくIKEAなどもあるし個人経営のおしゃれな家具屋さんもあります。
もちろんApple Storeもありますし(メルボルン近郊だけで4店舗あります。ということは東京よりも多いのですがやはりジニアスバーは混んでいますね。。。)、JB Hi-Fiという家電屋さんなどでガジェットが手に入ります。
食べ物は食に対する意識が強いせいか、オーガニックをはじめ世界各国の食材は揃います。ただ、個人的には日本のお酒の高さが痛いところです。ある時には芋焼酎1.8Lの瓶が90ドル近くで売られていました。。。。
多文化共生社会 外国人と思われない
これが僕が今までみたメルボルンの一番良い面だと感じています。
オーストラリア自体が「移民の国」です。特にメルボルンにはアボリジナル、英国系、東欧系、アジア系など数多くの多様なバックグラウンドを持つ人が住んでいます。
僕も街を歩いているだけでは観光客だと容姿で判断されることはありません。
「でも、移民の国だったらアメリカだってそうだし、英国やドイツも移民がいっぱいいるでしょ」
と、思われるかもしれません。
しかし、たしかにそれらの国は移民がいっぱいいて「多文化」ではあるけれども「多文化共生」かは疑問です。
例えばロサンゼルスではかつては「ロス暴動」が起きて、黒人と白人の中に大きな亀裂が走りました。2013年に僕がLAに行った時に感じたのは人種によって住む地域が全く違う極端な格差社会だということでした。地下鉄、バスに乗ると観光客のほかは黒人かヒスパニック系しかいませんでした。
ドイツと英国はもともとが移民による国ではないし、英国は移民排斥が発火点となってBrexitがありました。
一方、メルボルンは多くの人種が集い、比較的共生しているといえるのではないでしょうか。例えばサッカーオーストラリア代表の監督はメルボルン出身ですが生まれはギリシャです。代表チームには同じくメルボルン出身で日系の血をひく選手もいます。
もちろん、一部には移民や昨今の中国系住民に対してネガティブなイメージを持つ人は存在します。それでもLAのように住むところがあからさまに違うというわけではなく、電車に乗ると様々な容姿の人たちがいます。そこはメルボルンの良さかなと感じています。