1月26日はオーストラリア・デーでした。例に漏れず、筆者もビーチへ繰り出しました。
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スーパー等にはオーストラリアの国旗がこれみよがしにあしらわれたグッズがあふれていましたね。また多くの人がバーベキューを楽しんだことでしょう。
筆者の大好きな曲はアイルランドの歌、Fields of Athenry です。アコースティックの調べと柔らかい曲調が魅力的です。
ただ歌詞にはとても悲しい歴史の出来事が刻まれています。内容はアイルランドで飢饉が起きたときにとうもろこしを盗んでしまい、オーストラリアのボタニーベイにアイルランド人の子持ちの男性が島流しにあうと言うストーリーです。
この曲を知ったのは、アイルランドに旅行した時にパブで歌っている人がいたからでした。その前後にアイルランドの歴史について調べたことがあったので歌詞を調べてみてて、心に残りました。
ご存知のように当時オーストラリアに来たヨーロッパからの移住者の多くは小さい罪を犯して島流しにあった人たちでした。祝日オーストラリア・デーはそうした移民たちが最初にシドニーの地を踏んだ日にち(1788年)にちなみます。
我が家では、1968年1月26日にヨーロッパから移住してきた義理の母にとって、「オーストラリア・デー」はオーストラリアでの新生活が始まった最初の日ということで感慨深い思いがあるようです。
さて一方でこういったニュースも。
‘People are starting to understand’: huge Invasion Day protest stuns Melbourne
https://www.theguardian.com/australia-news/2018/jan/26/huge-invasion-day-protest-melbourne-australia-day
(the guardian)
見方を変えれば先住民アボリジニにとってはオーストラリアの歴史は侵略の歴史でもあるといえます。
オーストラリアデー日付を変えようという動きが近年盛り上がってきているとのこと。記事によれば数年前まではほとんど参加者がいなかったこのキャンペーンも今年は40,000~60,000人近くが参加したそうです。
筆者はオーストラリアに来てからまだ1年しか経っていませんが、1年前はイスラム系のヒジャブをかぶった少女の写真がオーストラリアデーの看板に使われたことで「オーストラリアらしさ」について議論となったのを覚えています。
あの時はオーストラリアの多様性を象徴するとしてサポートに回る人たちが現れました。
今後、数年でオーストラリアデー関する議論も深まっていくのか注目したいと思っています。アボリジニを先住民と憲法に明記するかどうかの問題もあります。国旗についてもユニオンジャックをのぞいてアボリジニの太陽のものにしようとの意見も聞いたことがあります。
こうした議論は自虐史観と捉える人もいるのかもしれません。ただある程度の意見を声にできるというのがオーストラリアの懐の深いところと考えてもいます。
もちろん、オーストラリアが理想郷などというつもりはありません。アンザックデーの時にツイートをして物議をかもしたYassmin Abdul-Mageid さんのときの出来事のように、ナショナリズムの「神話」の根強さも目の当たりにしましたが。。。
とまぁ、そんなことがよぎった祝日でした。
読んでくださりありがとうございました。
See ya!